NHKが13日16時からの『ニュース・気象情報』の中で、元ジャニーズJr.の岡本カウアンさんが12日午前、ジャニーズ事務所前社長である故・ジャニー喜多川さんからの「性被害」について、会見を開き告発したことを報じた。
これが14日9時までの間でNHK・民放を通じて唯一の、同会見に関するテレビ報道となっている。
ジャニーズ事務所は「弊社としましては、2019年の前代表の死去に伴う経営陣の変更を踏まえ、時代や新しい環境に即した、社会から信頼いただける透明性の高い組織体制および制度整備を重要課題と位置づけてまいりました。本年1月に発表させていただいておりますが、経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です」と、岡本さんの会見後にコメント。
要約すると「ジャニー喜多川の死後、しっかりやってますよ」というもので、全く当時の連続「性加害」、児童虐待事件とも呼ぶべき悪しき歴史、それを可能としていた組織としての不健全さについて向き合っていない。
NHKであれば報道番組『NHKニュース7』『ニュースウオッチ9』、民放であれば午前中や昼過ぎのワイドショーで、舌鋒するどいコメンテーターらが「ジャニーズ事務所の声明は、全く中身がないですよね」などと切り込むはずの問題を、少しも深掘りすることなく放置している。
誰がどう見ても「わざと隠している」ことは明らかで、NHKも民放も視聴者のことをどこまで侮辱すれば気が済むのだろうか。
(文/窪田翔吾)