元ジャニーズJr.の岡本カウアンさんが12日午前、ジャニーズ事務所前社長である故・ジャニー喜多川さんからの「性被害」について、会見を開き告発した。
日本外国特派員協会が主催する記者会見でのことだった。世界に向けて広く発信された告発が持つ意味は非常に大きい。
岡本さんは、昨年、自身のYouTubeチャンネルでも、さらに今月に入ってからは「週刊文春」(文藝春秋)の紙面や電子版などでも、同様にジャニーさんから性的被害を繰り返し受けていたことについて告発していた。
これまでは、告発について後追いで報じるメディアは極めて限定的だったが、今回は会見の直後から全国各地の新聞社がWEBニュースで速報を打つなど敏感に反応。
ついに、その利害関係から切り込むことを躊躇し続けてきたテレビが、ジャニーズの闇について報じるのではないかという機運が高まったものの、12日中、そして13日午後までの間に、これを報じたテレビ番組は皆無だった。
一昨年あたりから、「性加害」は大きなニュースバリューを持つものとして、一般人の場合でもしばしば、著名人によるものであれば重点的に報じられるようになってきた。
それにもかかわらず、日本一と言っても過言ではないエンタメ界のトップランナー、ジャニーズ事務所の前社長による性加害を、テレビは1ミリたりとも触れることができないのである。
2020年7月に急逝した三浦春馬さんの「メディアによる不可解な情報隠し」「三浦さんの名前すらも極力出さず、その存在を風化させようとするメディアの無視」。一部では「陰謀論」で片付ける向きがあったこれらの事象が、間違いなく存在しているということを、今回の岡本さんの告発に対するテレビの向き合い方は如実に語っているのではないだろうか。
(文/窪田翔吾)