博報堂が発行する雑誌『広告』で、ジャニーズ事務所による「メディアの独占的なコントロールやハラスメント」に言及した箇所が削除されていたと批評家の矢野利裕さんが訴えていた件について、『広告』編集部が削除は事実であると認めた。
3月31日に発行された『広告』では「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」というテーマで矢野さんと社会学者の田島悠来さんが対談した内容が記されている。
しかし、矢野さんは発行当日の3月31日にnoteで「1980年代以降のジャニーズによる『ジャニーズ帝国』とも言われるほどのマスメディアへの強大な影響力についての一部言及が削除された」と主張。
矢野さんの主張は、同記事の注釈「本記事は、ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています」とも符号。
そして4日、『広告』編集部の編集長である小野直紀さんがnoteにて「矢野氏の発言の一部が博報堂広報室長の判断により削除されたことは事実です」と明言したのである。
先日はイギリスBBCのドキュメンタリーが、ジャニーズ事務所創業者の“ジャニーさん”ことジャニー喜多川さんの性加害について鋭く詳しく切り込んだ。
そんな中での、今回の博報堂におけるジャニーズ忖度の内部告発。
2020年7月に急逝。その死には不審な点、不可解な点があると指摘されながら一向に深掘りされず、最後の主演映画『天外者』は驚異的なロングランヒットを記録していながらメディアの不遇に晒され続けている。そんな三浦春馬さんに対する風当たりも、このところのジャニーズをめぐるメディアの動向を見る限り、少しずつだが確実に変化のときを迎えているように思える。
(文/窪田翔吾)