日本時間18日(現地時間17日)にアメリカはフロリダ州、マイアミの“ローンデポ・パーク”でメキシコ-プエルトリコの準々決勝が行われた。
プエルトリコが1回表にいきなりJ.バイエズ、E.ロサリオの2者連続本塁打などで4点を先制し主導権を握る。
対するメキシコは2回裏にI.パレデスの本塁打が飛び出し1点を返す。さらに5回裏には一死満塁のチャンスで、この打席まで18打数1安打と極度の不振に陥っていたA.ベルドゥーゴがしぶとくセンター前に落とす適時打で1点を追加。
しかし、なおも続いた一死満塁のチャンスは後続が倒れ、さらなる追加点とはならず。
それでも2-4のスコアで迎えた7回裏、この回からマウンドに上がったプエルトリコのA.ディアスを攻め1安打2四球で無死満塁のチャンスを作ると、代わってマウンドへと送られたJ.ロペスに二死を奪われながらもI.パレデス、L.ウリアスの連打で3点を奪い逆転に成功。
8~9回を3投手の継投で凌ぎ切り、見事にメキシコが逆転での準決勝進出を決めた。
これにより、二刀流・大谷翔平らを擁する日本代表=侍ジャパンの準決勝の相手はメキシコに決定。試合は日本時間21日の朝8時にプレイボールとなる。
日本とメキシコの縁と言えば、2006年の第1回WBC2次ラウンド。このとき、直接対決では日本が6-1とメキシコを下している。
だが、それ以上に縁深いのが「アナハイムの奇跡」と呼ばれるアメリカ-メキシコの対戦。
この2次ラウンドは日本、メキシコ、アメリカ、韓国の総当たりで行われ、アメリカ-メキシコによる最終戦を迎えた時点で韓国が3戦全勝で1位突破をすでに決めていた。
一方、1勝2敗ですでにスケジュールを消化していた日本が2位に滑り込むためには、「9回2失点以上でアメリカがメキシコに負ける」という条件だった。
下馬評では圧倒的にアメリカ有利と言われ、メキシコは諦めたかのように練習を中止して試合前日ディズニーランドを堪能してもいた。
ところが、試合の結果はメキシコが2-1で勝利。この結果、日本、メキシコ、アメリカはいずれも1勝2敗に。3チーム同士での試合はいずれも1勝1敗となり、失点率で0.01という超僅差ながら日本がアメリカを上回り準決勝進出を決め、その後の優勝へと導かれたのである。
21日に行われる準決勝では、総合力で勝る日本が少し有利ともみられているが、メキシコが「マイアミの奇跡」を起こす可能性も十分考えられる。
日本が決勝進出できるかどうかは、佐々木朗希投手が先発ということで「マイアミの朗希」にかかっている。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している