鈴木亮平さん主演、宮沢氷魚さんが相手役を務める映画『エゴイスト』(配給:東京テアトル、監督:松永大司さん)が10日、全国公開を迎えた。
エッセイスト・高山真さんの自伝的同名小説「エゴイスト」が原作。
鈴木さん演じるゲイの主人公・浩輔と、宮沢さん演じる体の弱い母親を養いながら親子2人で暮らすパーソナルトレーナー・龍太が惹かれ合っていく、骨太で味わい深いヒューマンドラマとなっている。
SNSや映画専門サイトのレビュー欄には、数多くの感想が上がっており、その多くは「愛とエゴ」について考察しつつ作品を高く評価するもの。
ただ、中には「性描写」についての拒否反応を綴ったものも見られる。
「気持ちが悪くなりトイレに駆け込んで吐いた」と自身が感じたショックの大きさを、あまりにも無配慮に書きなぐっているものもあった。
単に愛を確かめる描写が性別を問わず苦手なのだろうか。男女の交わりや女性同士の交わりであれば平気だが、男性同士だけは生理的に受け入れられないなんてことを言っているのだろうか。
想像力が豊かなことは結構だが、それを不特定多数が見られる媒体に書くことは、行き過ぎたエゴと言われても仕方がないのではないだろうか。
筆者も『エゴイスト』を通じて、愛とエゴについてあらためて深く考えてみたいと思った。
(文/新名篤紀)