海外FA権を使ってソフトバンク入りした近藤健介選手の人的補償選手として、ソフトバンクの田中正義投手が日本ハムへ移籍することが10日、分かった。
田中投手は創価大から5球団競合の末、ドラフト1位で2016年にソフトバンク入り。度重なる故障もあってこれまでは期待値に応えるような成績は出せておらず、6年間のプロ通算成績は38試合登板、投球イニングは36イニング、0勝1敗2ホールド、防御率4.25にとどまっている。
体質面の不安から、今回の移籍決定に対してソフトバンクファンからは「若手有望株や安定して成績を残せる中堅からベテランじゃなくて良かった」なんて声も出ているほどだ。
しかし、昨シーズンは開幕直前の故障離脱があったものの、8月にシーズン初登板を果たすと5試合5イニングを投げ被安打2、無失点、6奪三振と復調の兆しを見せた。その後、再び離脱をすることになったが、これはコロナの影響によるもの。
秋季キャンプでは藤本博史監督が投手陣のMVPと語ったほか、新たに1軍投手コーチに就任したかつての大エース・斉藤和巳さんが「大丈夫という印象を受けた」と太鼓判を押していた。
斉藤コーチと言えば、現役時代に、幾度も故障を乗り越えて記録にも記憶にも残る活躍を見せた人物。
それだけに、田中投手が2023年、日本ハムを日本一へ導く大活躍を見せても何ら不思議ではないだろう。
(文/潮崎達至)