19日、カタールで行われたW杯決勝「アルゼンチン - フランス」の試合は、前半開始早々からゲームを支配したアルゼンチンが、メッシのPKなどで前半だけで2点を奪う展開に。
そのままスコアが動かずいよいよアルゼンチン、そして“神の子”と称されるメッシの悲願であるW杯制覇達成かと思われた後半35分に試合が動く。
フランスが獲得したPKをエースのエムバペが決め2-1に。さらに、その1分後にはワンツーの浮き球をまたもエムバペが強烈なボレーで決め切りあっという間に2-2の同点へ。その後はフランスがペースを掴みゲームを支配していたが、追加点をあげられず90分が終了。試合は延長戦へ。
そして、延長後半、今度はメッシが味方シュートをフランスのGK・ロリスがはじいたところを押し込み勝ち越しに成功。
しかし、延長後半12分にエムバペの放った強烈なシュートをアルゼンチンがペナルティーエリア内で手で止める形となりフランスがPKを獲得。これをエムバペがまたも冷静に決めてハットトリックを達成。スコアは3-3となり、優勝の行方はPK戦へともつれこんだ。
PK戦では、1番手を務めたエムバペはキッチリ決め切ったものの、フランスは2番手、3番手が立て続けにアルゼンチンのGK・マルティネスにセーブを許してしまう。
一方でアルゼンチンは、1番手のメッシを含め4人が危なげなく決めてみせ、36年ぶり3度目となるW杯制覇を成し遂げた。
「互いの意地と意地がぶつかり合い、スコアも3-3、おまけに90分間だけでなく延長戦でも互いに点をとるという、見どころの多い素晴らしい試合でしたね。
ただ、非常に残念なことですが、大会の最優秀GKにも選ばれたマルティネスが極めて不快な行動を試合後にしてしまい、感動に水を差しました。
まず、最優秀GKのトロフィーをもらった直後に、トロフィーを股間にあてて勃起したアソコを思わせるようなジェスチャーをしていました。
これだけなら単に『品がない』で済んだかもしれませんが、マルティネスは試合後のロッカールームで『1分間の黙とうを…死んだエムバペに捧げる』などと発言したとフランス紙が動画を添えて報じ、『品だけでなく、共に決勝戦を戦った相手への敬意がなさすぎる』などの批判を集める事態となっています。
アルゼンチンは準々決勝のオランダ戦で、パレデスがオランダベンチに向けて全力でシュートを放つという暴挙もありました。しかも、本来であれば1発退場で間違いないこのパレデスの愚行を、この試合の審判は相手選手への悪質タックルによるイエローカードしか提示せず。この場面でパレデスが退場となっていれば、オランダがアルゼンチンを下していた可能性は高く、メッシの悲願達成は叶っていなかったかもしれません。
そんな中での、今回のマルティネスの愚行で、フランスを中心に『アルゼンチンの優勝は不当』『W杯制覇の記録を剥奪にするのが妥当』といった声まで噴出する事態となっていますよ」(スポーツコメンテーター)
ピッチの中でも外でも、今回のW杯を色んな意味で盛り上げたアルゼンチン代表だった。
(文/樋口健太郎)