日本ハムからFA権を行使し、残留かオリックス、西武、ロッテ、ソフトバンクへの移籍かで揺れていた近藤健介選手が12日、ソフトバンクへの移籍という結論を出したことが分かった。
近藤選手は6年42億円とも言われる超巨額契約を提示し、尊敬する長谷川打撃コーチも交渉の席に招へいしたソフトバンクの熱意に打たれて、この結論に至ったと見られる。
「つい数日前には、今年のシーズン半ばからロッテのブルペンを支えたオスナ投手を、ソフトバンクが年俸6億円超という巨額契約で横取りしたことが分かりました。
そして、今度は今オフFAの目玉となっていた近藤選手がソフトバンク入り。
確かに打率も通算で.307、出塁率に至っては通算で.413と歴代屈指の成績を上げていますから、近藤選手が3~4億円という年俸を提示されるのは妥当でしょう。
ただスタメン定着してからでも、近藤選手は1度も全試合に出場したことはありませんし、2016~2017、2022と3度も100試合未満の出場に留まったこともある選手ですからね。
来年で30歳を迎えるという年齢的にも、ますます故障が付いて回るリスクと隣り合わせですし、年俸7億円はどう考えても常軌を逸した札束攻勢と言えるでしょう。
ゲームの中であれば、これでソフトバンクは来季以降に何連覇もすることが確定となるんでしょうけどね。
同じリーグの大物を次々と獲得していては、チームが腐っていくことになると巨人がしっかり証明しています。
また、他球団ファンはもちろんのこと、ソフトバンクファンの中にも不快感を覚える人がかなりの数いると思います。
それから、近藤選手は外野手ですから、早ければ来季の開幕早々に花開いたであろうソフトバンクの若手も、一気にモチベーションが下がり、チームの代謝不良を招く可能性も非常に高いと思いますよ。
仮に近藤選手とオスナ投手が目論見どおりに数年の間、活躍をした場合、ソフトバンクが強すぎて他球団ファンを中心にプロ野球を見る人が減ってしまい、結果的にプロ野球全体の人気が劇的に下がるリスクが考えられます。
逆に、近藤選手やオスナ投手が想定どおりに活躍しなかった場合、ただお金の無駄遣いをしたというだけでなく、チームの代謝不良も起こることは確実でしょうから、ソフトバンクは常勝軍団どころか常弱軍団に成り下がる可能性も十分にあるのではないでしょうか」(スポーツコメンテーター)
近藤選手の選択は自身で勝ち得た権利をフル活用しただけで何ら問題ないだろうが、ソフトバンクの姿勢は自チームはもちろんのこと、プロ野球自体を破壊しかねないものだけに大きな波紋を呼びそうだ。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している