15日配信の「AERAdot.」(朝日新聞出版)が、前日に掲載していた「これも戦術?高校サッカー決勝戦で“違い”が浮き彫りになった監督の『マナー』」とのタイトルの記事に対する、青森山田高校サッカー部の黒田剛監督の主張について報じた。
スローインに関する「ボールを別の方向に投げて、相手選手がすぐにプレーできないようにした」「ロングスローの走路を妨害していた」という指摘に対する黒田監督の主張は、「別の相手選手がスローインすると思ってそちらにボールを投げた結果、アンフェアなプレーをしているように誤認されたもの」「ロングスローの走路は妨害しておらず、カメラアングルなどの問題でそう見えたもの」といった旨のものだった。
これに対しては「言い訳がましい」「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず。仮に主張が事実だとしても、誤解を招くような行為があったことは反省するべきでは?」といった声が多く聞かれています。
お詫びをしているようで実は…
そして、唾吐き行為については「見苦しい映像がテレビを通じて映ってしまったことはお詫びしなければなりません」「医学的には“ウイルスが付着したつば”や、うがいのために口に含んだ水は衛生的には飲んではいけないと医者からも指導されています」「サッカーでは芝生の上ならば口にふくんだ水やつばを吐くことは認められています。私が偶然テレビに映ってしまったことで、悪い印象を与えたことは事実だと思いますのでそれは謝らなくてはなりません」などと主張していることが綴られている。
「まず、ピッチ上で激しく走り回っている選手であれば、その場でもライン際でも口に溜まったネバついた唾などを吐くことは多々あります。
ただ、監督の場合は激しく運動しているわけではありませんので、唾は溜まりづらいのではないかと思います。
それに、常にピッチの外にいますから、どうしても吐くべき状況が生まれた際には、選手がプレーの流れで倒れ込んだりする可能性のある位置は避けて唾を吐けばいいのではないかと。
また、監督は、自身が新型コロナウイルスを含めてウイルスに感染しないようにという意味合いで、『唾を飲まずに吐くべきだ』と語っていますが、この発言には監督以外の人にウイルスが付着する可能性が考慮されていないように感じましたね。
そして、『お詫びしなければなりません』『謝らなくてはなりません』と語っているのですが、AERAさんの記事を見た限りでは、その後に『申し訳ありませんでした』や『申し訳なく思っています』とのコメントは見受けられませんでした。
発言がカットされているだけならばいいのですが、実際に謝罪の言葉を口にしていないのであれば、ただ『謝るべきこと』と客観的意見を述べただけで、お詫びしたことにはならないですよね」(スポーツ記者)
世間の反応を見る限り、どうやら火消しはうまくいかなかったようだ……。
(文/樋口健太郎)