報知新聞社が主催する「第46回 報知映画賞」の各賞が30日発表された。
作品賞、監督賞、主演男優賞に、選考委員会による審査の前に行われる“ファン投票”でいずれも1位に支持された、三浦春馬さん最後の主演映画『天外者』は、少なくともいずれか1つでは受賞するかと見られていたものの、いずれも受賞を逃す結果となった。
「ファン投票の結果が、最終的な受賞につながらなかったことは、ファンとしては悔しいでしょうね。
特に三浦春馬さんが個人としてノミネートされた主演男優賞に関しては、『天外者』を監督した田中光敏さんが自身のブログで、自身の監督賞や作品賞のことは置いておいて、『三浦春馬主演男優賞 ノミネート ありがとうございます。ぜひとも主演男優賞よろしくお願いいたします』とエールを送っていましたからね。
しかも、『空白』の古田新太さんや、『すばらしき世界』の役所広司さんといった、誰もが認める実力派のベテランを差し置いて、主演男優賞に選ばれたのが『マスカレード・ナイト』の木村拓哉さんですか。
正直に申し上げて、見るに堪えないなんてことはもちろんありませんけど、賞を受けるレベルの演技を木村さんがしていたとは思えませんよ。
木村さん史上で言えば、もちろん悪くなかったと思います。個人的には、むしろドラマ『あすなろ白書』のときの方が良かったと思ってますけどね。
ただ、名優たちとの比較をしたときに、どうしても高い評価はしづらいと思うんですよね。
個人的には、1周年特別上映という極めて異例の偉業達成が10日前に迫っている、三浦さん主演『天外者』に注目が集まりやすくなることを避けるために、あえて『天外者』関連の受賞が1部門もないように調整したのではないかと思いますし、ジャニーズへのゴマすりのために木村さんを主演男優賞に選んだのではないかと感じてしまいましたよ」(メディア記者)
木村拓哉さんは、自身が主演男優賞に輝いたことについて「本当にたくさんの作品や役者さんがいる中で選んでいただいてすごくうれしい。でも、なんだろう。こういった選考に自分が対象として存在したことがあまりなかったので」と戸惑い混じりの偽らざる本音を語っている。
三浦さんも木村さんも、報知映画賞の犠牲者となったということが言えるかもしれない。
(文/中野慎二郎)
~ライター略歴~
東京都中野区出身
演劇&音楽を愛しアーティスト活動を20年に渡り行うも鳴かず飛ばず
2017年より自身の経験と人脈ををもとにフリーライターとして活動