昨年7月の急逝から間もなく16ヶ月を迎えようとしている俳優の三浦春馬さん。
三浦春馬さんに関して、国内のニュースシェアの大半を占めているYahoo!ニュースおよびGoogleニュースで検索をすると、“第46回 報知映画賞”に『天外者』や三浦春馬さん、田中光敏監督がノミネートされたことに触れている「報知スポーツ」および「シネマカフェ」の記事が出てくる。
だが、このたび発表された、全国300館というとんでもない規模で12月11日に三浦春馬さん最後の主演映画『天外者』が1周年特別上映を行うというニュースは出てこない。
つまり、大手メディアは全くこの1周年特別上映のニュースを報じていないのである。
“反語”という古文のスタイルが出てしまう始末
『天外者』が報知映画賞に3部門でノミネートされたという、『天外者』に関連するニュースを扱っておきながら、あるいは他社が扱っているのを見ていながら、前代未聞で前人未到な“1周年特別上映”をニュースのネタとしてプロの報道機関の方々が見逃すはずがあるだろうか。いや、ない。
あまりにワケの分からない報道基準に、学生の時分以来の“反語”という古文のスタイルが出てしまう始末なのだ。
ニュースを聞いた方の中には「すごいな三浦春馬は!多くの人に愛されてて」など前向きな反応をする方も、「亡くなってから1年以上経過しても商売に使われる三浦春馬ってかわいそう…」といった具合に後ろ向き(と言うか斜めの角度)な反応をする方もおそらくいるだろう。
どんなニュースも賛否両論あるのが自然なことであり、受け止め方が色々と割れるのは当たり前だと思う。
そして、多くの方が色んな意味で「すごい」「ヤバい」と捉える可能性の高いニュースを故意にスルーするという報道姿勢は、明らかに間違っているのではないだろうか。
(文/窪田翔吾)