30日、東京競馬場で「第88回 東京優駿(日本ダービー)」が行われた。
単勝1.7倍と、牡馬クラシック第1弾のG1・皐月賞を含む4戦4勝を挙げていた横山武史騎手のエフフォーリアが断然の1番人気で迎えた同レース。
最後の直線で見事にエフフォーリアが抜け出し、横山騎手はわずか22歳にしてダービージョッキーの称号を手にするかに思えたのだが……。
最後は首の上げ下げ
「ゴールまで後100メートルほどのあたりで、福永祐一騎手のシャフリヤールが猛然と差を詰めてエフフォーリアとの叩き合いに持ち込み、最後は首の上げ下げの結果、わずかに“ハナ差”でシャフリヤールが勝利しました。
これで、横山騎手の夢はもちろんのこと、エフフォーリアの父・エピファネイアが果たせなかった父子2代に渡る夢も散ったことになります。
今から8年前の日本ダービーで、ゴール前50メートルで先頭に立っていたのはエピファネイアでした。そして、その鞍上には福永騎手がいました。
それを最後の最後に交わし去ったのが、武豊騎手のキズナだったわけです。
この時点では、ダービージョッキーとなることができなかった福永騎手は、その後、2018年にワグネリアン、昨年はコントレイル、今年はシャフリヤールと、今年で3度目のダービー制覇を果たしたということになります。
8年前のあの日、福永騎手が果たせなかった夢は、その経験を糧に数年後に大きく実を結びました」(スポーツ記者)
エピファネイアがダービー馬の父としてその名を轟かせる日も、横山騎手がダービージョッキーとなる日も、数年後、あるいは来年にも訪れるのかもしれない。
競走馬の、そしてホースマンのドラマはこれからも続いて行く。
(文/豊田武志)