
川崎駅東口駅前広場で路上ライブをしていた歌い手KΛKERU(KAKERU、@RAMUDA_96song)が、ライブ中に私語を続ける人々にマイク越しに「喋るなら離れろ」「出てって」と注意した動画を投稿した問題で、炎上が続く中、本人が追加で言い訳を投稿したものの、川崎市の路上ライブルールを正確に理解していないとして、さらに批判が集まっている。
11月7日の最初の投稿に続き、8日には「正式に許可をいただいている場所」「注意したのはリピーターで、通りすがりの人には言わない」などと補足。
さらに同日夜には「川崎の路上ライブでは、演奏する場所として決められた枠があり、聴いてくださる方にもその中で観覧していただくという決められたエリアがあります。今回僕が注意させてもらったのは、その枠の中で歌唱中にもずっと周囲に聞こえる声で会話を続けていた方々です。その枠から出て行ってくださいという意味でお伝えしています」と投稿した。
しかし、この解釈は川崎市が定める「川崎駅東口ストリートミュージックパス(SMP)」のルールとは食い違う。
SMPは2025年8月から試行されている登録制で、市が道路使用許可を取得した指定4エリア内でのみ、正午から午後9時まで演奏を認める仕組みだ。ガイドラインでは「観客を含めて指定エリア内に収まるように(観客への呼びかけをお願いします)」「通行の妨げになるような観客の座り込み等は禁止」とされ、演奏者が協力を呼びかけることは求められている。
一方で、これは通路機能の確保のための協力要請であり、演奏者に「エリア内の観客の会話を禁止したり、退出を強制したりする権限」を付与するものではない。公共の通路としての広場である以上、私語やスマホ操作を理由に特定の人を排除できる権利はない。X上のコミュニティノートでも「指定小エリア内での演奏に限られ、観客の私語やスマホ使用を規制・排除する権限はありません」と明記されている。
にもかかわらずKΛKERUは「枠から出て行ってください」「会話を楽しみたいのであれば、その観覧エリア内にいる必要はあるのでしょうか?」と、指定エリアを自分のステージ空間のように捉え続けている。
批判する側からは「ルールを正しく理解していない」「独りよがりな解釈で言い訳を重ねている」との声が相次ぎ、川崎市への苦情を検討する投稿も出ている。
KΛKERUはオリジナル曲の宣伝を交えながら「自分の信念を持って歌い続ける」との姿勢を崩していないが、公共空間のルールを曲解したままの説明が続く限り、火に油を注ぐ結果となっている。
(文/中野慎二郎)
~ライター略歴~
東京都中野区出身
演劇&音楽を愛しアーティスト活動を20年に渡り行うも鳴かず飛ばず
2017年より自身の経験と人脈ををもとにフリーライターとして活動