仲野太賀「クズ中のクズ」吉岡里帆が可哀そう | The Audience
仲野太賀「クズ中のクズ」吉岡里帆が可哀そう | The Audience
スポーツソーシャル芸能
  • ホーム
  • 芸能
  • 仲野太賀「クズ中のクズ」吉岡里帆が可哀そうな理由

仲野太賀「クズ中のクズ」吉岡里帆が可哀そうな理由

仲野太賀「クズ中のクズ」吉岡里帆が可哀そうな理由
ぱくたそ

 現在公開されている佐藤快磨監督による映画『泣く子はいねぇが』(配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ)で、仲野太賀さんが演じている役が話題となっている。


 ※以下はネタバレを含みますので、ご注意ください。
 
 「仲野さんが演じているのは、物語の主人公で『たすく』という秋田男子です。
 
 こいつが、心底情けなくて、結局いつも逃げてばかりで、頼りなくて…大人になれていない、どうしようもない『クズ中のクズ』なんですよ。

身近にはいてほしくない存在だからこそ

 終始、そのいや~な感じを見せ続けられて、いや~な気持ちになるんですが、でも、その感じが妙に『生きるために必要な何か』を感じさせると言いますか、現実では目を背けたい存在、身近にはいてほしくない存在だからこそ、非現実世界でしっかりと目に焼き付けておきたくなる、そんな感覚を覚えさせる作品でした。
 
 情けなさすぎる男を、仲野さんは実に見事に演じきっていましたし、『どん狐くらいしかハマり役がない』と揶揄されることもある吉岡里帆さんが、たすくの妻(後にバツイチになる)『ことね』を繊細で現実的に演じ、女性の強さ、母親のたくましさを強く感じさせてくれていますよ。
 
 あまりの『たすく』のクズっぷりに、本気で『ことね』が可哀そうだと思ったほどです。
 
 あざと可愛いキャラのイメージが先行していますが、吉岡さんはカメレオン女優としてもっと活躍できるのではないかと感じましたね。

 なお、作品序盤で泥酔した『たすく』が、ナマハゲの面だけをして全裸の状態で冬の海を歩き回るというシーンがあるんですが、実際に仲野さんはこのシーンを1月の秋田の海で撮影したそうです。
 
 『ちょっと死を覚悟した』とインタビューで語っていたように、仲野さんが命をかけて臨んだ作品だけあって、全編を通して重さと虚しさの感じられる良作に仕上がっていたと思います」(映画批評家)
 
 同時に公開されている話題作に押されて、さほど目立ってはいないが、一見の価値のある作品であることは間違いなさそうだ。
 
(文/恵和恵)