
8月19日、エスコンフィールド北海道で行われた日本ハム対ソフトバンク戦。
ソフトバンクが3点リードで迎えた7回、1死満塁の絶好機で打席に立ったのが捕手の山本祐大だった。追加点のチャンスを逃せば流れが変わる重要な場面で、山本は長井功一球審の衝撃的な判定に泣かされた。
4球目、日本ハム投手の投じた低めのツーシーム。捕手の郡司がグラブを地面につけるように捕球する、明らかにストライクゾーンを大きく下回るボールだった。しかし長井球審は「ストライク」を宣告。見逃し三振となった。
山本は呆然とした表情を浮かべ、何度も首をかしげながら球審に抗議の言葉を投げかけた。ベンチからは小久保裕紀監督も飛び出し、審判に詰め寄ろうとしたが制止され、引き下がるしかなかった。結局この回は無得点に終わり、追加点の好機は潰えた。
X上では試合映像が拡散され、「さすがに酷すぎる」「誤審中の誤審」「いい加減にしろ」とファンから批判の声が殺到。球審の判定が試合の流れを大きく左右したことは間違いない。
長井球審は今年6月にも、西武ライオンズに不利となる不可解な判定を繰り返していたことで物議を醸していた。
6月22日の楽天対西武戦(東京ドーム)では、9回表無死一塁の場面で西武・渡部聖弥の走塁を「3フィートオーバー」と認定し併殺を宣告。映像では走路が大きく外れているようには見えず、西武ファンから「誤審で試合を壊された」「あの判定がなければ点が入っていた」と猛抗議が相次いだ。西武はこの判定でチャンスを逃し、最終的に最下位楽天にサヨナラ負けを喫した。
さらに6月25日の楽天対西武戦では、7回表無死一塁で西武・タイラー・ネビンの打席。カウント2-1から投じられた外角低めの変化球は、コースも高さもストライクゾーンをボール1個分以上外れているように見えたが、長井球審はストライクを宣告。カウントが2-2となり、続く球を空振り三振。辻発彦元西武監督は「あの判定がなければマエケンは潰れていた」「テレビを見て怒った」と厳しく批判した。
今回の山本祐大に対する低めストライク判定も、過去の事例と重なる形で「驚異的な誤審」との評価を集めている。
プロ野球の審判は「人間がやる以上、完璧はない」と言われるが、ストライクゾーンの一貫性や明らかなボール球の判定ミスが繰り返されると、選手やファンの信頼を損なう。山本祐大の呆然とした表情と小久保監督の抗議は、そうしたフラストレーションの表れだろう。NPB審判団には、より公正で正確なジャッジを求める声が高まっている。
(文/中牟田晃)