
JRAは8月6日付で、高杉吏麒騎手(20)の所属を栗東・藤岡健一厩舎から栗東・フリーに変更したと発表した。
デビュー3年目で通算160勝を挙げ、今年も38勝をマークしていた若手有力騎手の突然の転向に、競馬界で大きな注目が集まっている。
この背景について、元JRA厩舎関係者の稲垣茂氏のX投稿や、元JRA騎手でYouTuberの藤田伸二氏の動画により、詳細が明らかになりつつある。
藤田氏によると、高杉騎手は今回、深酒をした影響で寝坊し、調教を無断欠勤した。藤岡健一調教師はこれを受けてレースへの騎乗自粛(謹慎処分)を通達したところ、高杉騎手は不貞腐れた態度を見せ、「藤岡厩舎を出たい」と自ら願い出てきたという。
温厚な人柄で知られる藤岡調教師だが、堪忍袋の緒が切れたようで、多くの馬主に向けて書面でこの事実を通達。
騎乗契約解除を報告するとともに、「性根の悪い人間は、いくら導いてもダメでした」と記し、自厩舎の管理馬には一切乗せないだけでなく、他の厩舎に預託している馬についても同様の対応をとってほしいとまで要望していたとされる。
さらに藤田氏は、高杉騎手が10代(20歳未満)の頃から幾度となく「未成年飲酒」を繰り返し、その影響で調教に遅刻していた事実にも言及している。
稲垣氏も直接の詳細は避けつつ、「少年法の関係で詳細を書くことは控えます」と投稿し、20歳未満であれば「重大な非行」に該当する行為があったことをほのめかしている。過去の類似事例と比較して「今回のケースはそれ以上のレベル」と指摘もしている。
公式には理由が明らかにされていないが、繰り返しの素行不良が積み重なり、事実上の解雇(所属解除)に至ったというのが関係者の見方だ。
高杉騎手はフリー転向後も当面の騎乗予定がなく、今後の再起が焦点となる。若手騎手のプロ意識が改めて問われる事態となった。
(文/豊田武志)