
月刊コロコロコミック(小学館)で1977年の創刊号から49年にわたり連載(後期は再掲載)されてきた『ドラえもん』が、2026年5月号で幕を下ろした。
公式には「編集部の方針」と説明されているが、背景には重複掲載ミスと、それに伴う藤子・F・不二雄プロダクション(藤子プロ)への謝罪時の失態があったとする情報が、フリーライター・山中武史氏のX投稿を中心に広がっている。
2026年2月号(1月15日発売)と4月号(3月13日発売)で、同一エピソードが重複掲載されるという編集部の作業ミスが発生。小学生向け雑誌として信頼を損ねる失態となり、小学館は3月17日にコロコロオンラインで公式謝罪を発表した。「読者のみなさまに戸惑いとご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。今後このようなことがないよう注意を払います」との内容だった。
山中氏によると、ミス発覚後、編集長を含む幹部3人が更迭および出勤停止の処分を受け、藤子プロを直接訪問して謝罪した。しかしこの謝罪の場で、藤子プロ側をさらに激怒させる失礼な言動があったとされ、具体的な内容は非公表ながら「途中で席を立たれた」という情報もあるという。
この一件が、49年にわたる長年のパートナーシップに終止符を打つ決定打となった可能性が高い。
藤子プロは、藤子・F・不二雄氏の遺志を継ぎ、作品のイメージ保護とクオリティ維持に極めて厳格な姿勢で知られる。過去にも同人誌問題や旧アニメ再放送などで、敬意を欠く扱いに対して強く対応してきた経緯がある。長年コロコロを看板企画の一つとして支えてきただけに、積もり積もった不満が重複ミスで表面化した形となったようだ。
2026年4月15日発売の5月号では最終回として「時門で長〜〜い一日」が掲載され、「今月号をもって完結となります。長い間応援いただき誠にありがとうございました」とのメッセージが記された。ネット上では「49年続いた歴史が終わってしまうのは寂しい」「コロコロはドラえもんのために生まれた雑誌なのに」といった惜別の声が広がったが、山中氏の投稿以降は「重複ミスと謝罪の失態が原因か」「小学館の対応が雑すぎる」との指摘も相次いでいる。
小学館広報は連載終了について編集部方針と繰り返し説明しており、処分や謝罪時の詳細は公式に確認されていない。あくまで業界内部情報に基づく話として受け止める必要があるが、作品をめぐる信頼関係の重要性を改めて浮き彫りにする出来事となった。
ドラえもんは今後もアニメ、映画、単行本などで活躍が続く。49年の歴史に幕を下ろしたコロコロでの掲載終了は、出版業界に作品管理と敬意の大切さを示唆する教訓となった。
(文/江口のりお)