
高市早苗首相が衆院選の公約に掲げ、自身の「悲願」と位置づけてきた飲食料品の消費税率2年間ゼロの実現が、与党内で先送り論が強まり、事実上困難視され始めた。
4月18日付の西日本新聞報道によると、超党派の「社会保障国民会議」実務者会議では、レジシステム改修に1年程度かかることや、価格転嫁の難しさから物価高対策としての即効性に懐疑的な意見が相次いだ。仮に秋の臨時国会で法改正しても、実施は2027年秋以降になるとの見通しで、高市首相が目指す2026年度内の実現は極めて厳しい状況となっている。
自民党幹部からも「消費税ゼロは時間がかかる」との声が上がり、代わりに給付付き税額控除の簡易型を先行させる案が浮上している。イラン情勢による原油高騰で食料品以外の価格高騰も広がっていることが、議論の先送りを後押ししている形だ。
高市首相の発言にもぶれが見られる。衆院解散表明時には「悲願」と強く強調した一方、その後は「給付付き税額控除までのつなぎ」とトーンを抑える場面もあった。日本維新の会は公約通り実行すべきだと主張しているが、与党内では現実的な制度設計の難しさが浮き彫りとなっている。
公約として国民に訴えた政策が、わずか2ヶ月あまりで先送りムードが漂う事態に、野党やネット上では「公約違反」「また先送りか」との批判が早くも上がっている。
高市政権の目玉政策の一つが早くも壁にぶち当たる中、今後の国民会議での議論と最終判断が注目される。
(文/二宮誠司)