
将棋のタイトル戦「ALSOK杯第75期王将戦七番勝負」第7局が大阪府高槻市の関西将棋会館で行われ、藤井聡太王将が永瀬拓矢九段を破り、シリーズ4勝3敗で王将位を防衛した。
藤井王将はこれで王将戦5連覇を達成し、改めて第一人者としての強さを示した。
本シリーズは藤井王将にとって苦しい展開だった。第4局終了時点で1勝3敗と追い込まれ、タイトル失陥の危機に直面。しかし第5局以降は圧巻の内容で3連勝し、逆転防衛を成し遂げた。七番勝負で1勝3敗からの逆転は将棋界でも数少ない記録であり、その勝負強さが際立った。
両者は過去対戦でも藤井王将が大きく勝ち越しているが、永瀬九段は粘り強い受けと研究でシリーズをフルセットに持ち込み、激戦を演出した。最終局までもつれたのは藤井王将にとってタイトル戦で初であり、その意味でもこの防衛は特別な価値を持つ。
言わずもがな、藤井王将は複数タイトルを保持し、歴代でも屈指の成績を残している若き王者である。今回の大逆転劇は、技術だけでなく精神面の成熟を示す一局として、将棋史に刻まれるシリーズとなった。
(文/香田竜馬)