
10月8日に東京地裁より破産手続きの開始決定を受けた、映画製作プロダクション会社・アルタミラピクチャーズ。
同社は周防正行監督の『Shall we ダンス?』をはじめ、矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』、磯村一路監督の『がんばっていきまっしょい』など、数々の名作を手掛けてきた名門だ。
そんなアルタミラピクチャーズを破産へと誘った最後の一押しについて、29日の「週刊文春 電子版」(文藝春秋)が報じている。
アルタミラピクチャーズは、ここ10年ほどヒット作に恵まれず業績が低迷。そんな状況を打破する逆転の一手として着手したのが、日本を代表する名監督・小津安二郎さんの若き日を描いた映画『おーづせんせい』。
児島秀樹さんによる同名小説を原作に、主演にはSixTONESの松村北斗さんを据えようとSTARTO ENTERTAIINMENT社にオファー。
このオファーはスケジュールを理由に断られたものの、代わってSnow Manの目黒蓮さんが主演に収まることで話がまとまった。
STARTO社と契約を交わし、目黒さんがリハーサル撮影に参加するなど順調に製作が進んでいた中、クランクイン1ヶ月前というタイミングで突如として目黒さんの降板を通達されたという。
降板の理由は「中国リスク」。小津監督が1937年から2年間、日中戦争において従軍していたことが反日感情を刺激する恐れがあると判断されたようだ。
また、目黒さんがアンバサダーを務めるFENDIから中国リスクを念頭に「映画に出演した場合は契約を打ち切る」との圧力があったとも伝えている。
結局、目黒さんの降板によって、目黒さんありきで出資を考えていた企業などが芋づる式に去り、政策が立ち行かない状況へと追い込まれ、アルタミラピクチャーズは破産へと陥ったのだという。
(文/川村隆二)