【広陵】中井哲之、監督を辞任も副校長には留任で疑問の声 | The Audience
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【広陵】中井哲之、監督を辞任も副校長には留任で疑問の声

【広陵】中井哲之、監督を辞任も副校長には留任で疑問の声
中井哲之

 第107回全国高校野球選手権(甲子園)の大会期間中に、部員の暴力問題を理由に出場を辞退した広陵高校(広島)が、8月21日、長年硬式野球部を率いてきた中井哲之監督(63)の退任を発表した。

 しかし、中井氏が学校の副校長職には留任する方針であることが明らかになり、ネット上で「責任逃れでは」「なぜ副校長に留まる?」と疑問や批判の声が上がっている。
 
 この騒動は、広陵野球部の構造的な問題や指導体制の課題を浮き彫りにし、議論を呼んでいる。

 広陵高校は、今年1月に野球部寮で2年生部員4人が1年生部員に対し、禁止されていたカップラーメンを食べたことを理由に胸や頬を叩くなどの暴力行為を行った事案が発覚。3月に日本高野連から厳重注意と当該部員の1カ月間の対外試合出場停止処分を受けた。この問題が7月末、被害生徒の保護者によるSNS投稿で明るみに出ると、さらなる告発が続いた。
 
 広陵は8月7日の1回戦で旭川志峯(北北海道)に3-1で勝利したが、SNSでの批判や誹謗中傷がエスカレート。学校への爆破予告や生徒が登下校時に追いかけられる事態が発生したとして、大会運営への影響や生徒・教職員の安全を考慮した結果、8月10日に2回戦の津田学園(三重)戦を前に出場辞退を発表した。堀正和校長は会見で、「高校野球の名誉と信頼を損なう事態を重く受け止め、指導体制の抜本的な見直しを図る」と述べた。

 8月21日、広陵高校は中井哲之監督とその長男で部長を務めていた中井惇一氏の退任を発表。後任監督には同校OBの松本健吾コーチが就任し、部長も別の教員に交代する。学校側は、第三者委員会を設置し、暴力事案の再調査と指導体制の見直しを進めると表明。また、1~2年生約100人へのアンケートと聞き取りで新たな問題は確認されなかったとして、秋の県大会地区予選への出場も決定した。
 
 しかし、中井氏が副校長職に留任する方針が明らかになると、Xやネット上で疑問の声が噴出した。「監督を辞めただけで副校長に居座るのは責任逃れ」「学校のNo.2が暴力問題を放置していたのに留任はおかしい」との批判が相次いだ。特に、被害生徒の父親が「中井監督から『うそはつくなよ』『2年生の対外試合がなくなってもいいんか』と恫喝された」と告発したことや、10年前にも同様の暴力事案があったとの証言が波紋を広げている。

 SNSでは、「校長の堀正和氏も副会長を務める広島県高野連と中井一家の癒着が問題」「家族体制(中井監督、息子の部長、妻の寮母)が暴力を生んだのでは」との声も。あるユーザーは、「監督交代は形だけで、広陵は本気で変わる気がない」と厳しく指摘した。
 
(文/有村和巳)
 
 ~ライター略歴~
 静岡県出身
 大学までは野球部で白球を追いかけていた
 今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している