
野球部内の暴力事案がSNSを中心にネットで拡散し、全国高校野球選手権(甲子園)の2回戦出場を辞退した広陵高校は18日、公式ホームページで9月6日に予定していた第2回オープンスクールを中止すると発表した。
広陵のホームページはアクセスしにくい状況が続いており、「本校ホームページにアクセスしにくい状態の中で、お申し込みにもご苦労されただろうと拝察いたします。それにもかかわらず、このような決定に至りましたことを、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
広陵を巡っては甲子園辞退後も波紋は収まらず。学校側は部員間の暴力を伴う不適切な行為について再調査する方針を示しているほか、事実と異なる生徒への誹謗中傷が投稿されているとし、学校は法的措置も含めて対処することを明らかにしている。
一方で、16日の電子版などで「週刊文春」(文藝春秋)が、現在は広島カープで活躍する中村奨成選手と同期だった部員Aさんが、衝撃の暴行事件と中井哲之監督による驚愕の隠蔽対応を証言した内容などをスクープ。
記事によると、2015年9月に、先輩部員が夕食で出たグレープフルーツの皮を絞って別の先輩部員の目にかけるイタズラをするようAさんに指示。これをAさんが拒否したところ、消灯して真っ暗な室内に呼び出され、3~4人の先輩部員から暴行を受けた。このとき、スパイクでこめかみあたりを蹴られ意識を失い、Aさんは病院に運ばれた。
Aさんは右半身に麻痺を感じる状態に陥り、病室を訪ねてきた中井監督から「お前は部室の扉で挟んだんやってな。何をどんくさいことしとるんや」「それで合ってるよな?」と口封じの圧力を受けたという。
この文春報道も、今回のオープンスクール中止に一定の影響を与えた可能性が考えられる。
(文/有村和巳)
~ライター略歴~
静岡県出身
大学までは野球部で白球を追いかけていた
今は野球を中心にスポーツ全般の記事を執筆している