
阿部寛さん主演のTBS系日曜劇場『キャスター』(毎週日曜午後9時)の第3話が27日に放送され、世帯平均視聴率が10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。
前週の第2話(11.7%)から0.8ポイント下落し、初回(14.2%)からの下降傾向が続いている。
女優・のんさんが11年ぶりに地上波ドラマに復帰し話題を呼んだが、共演の永野芽郁さんをめぐる「不倫報道」が視聴率に影響を及ぼした可能性が指摘されている。
第3話では、のんさんが帝都大学の若手研究員・篠宮楓役として登場。新たな万能細胞「iL細胞」を発表し、再生医療に革命を起こすとされる研究者役を演じた。この発見はノーベル賞受賞者の高坂教授(利重剛さん)の「ivs細胞」を超えるとされ、世界的な注目を浴びるが、SNS上で不正疑惑が浮上する展開が描かれた。のんさんの出演は、2014年以来の民放ドラマ復帰として放送前から話題を呼び、SNSでは「のんの透明感すごい」「演技に引き込まれた」と称賛する声が多数見られた。
のんさんと主演の阿部寛さんは、12年前の共演以来の再会。公式インスタグラムに投稿された二人のオフショットは「爽やかで楽しみ!」とファンから好評だった。しかし、こうした話題性にもかかわらず、視聴率は前回から大幅に下落した。
視聴率下落の一因として、永野さんに関する「二股不倫」疑惑が影響した可能性が取り沙汰されている。
23日、週刊文春電子版が永野さんと既婚俳優・田中圭さんの不倫関係および『キャスター』共演者キム・ムジュンさんとの交際疑惑を報じた。
これに対し、永野さん、田中さん、キムさんの所属事務所は一貫して疑惑を否定。TBSも「現時点で永野芽郁の出演に変更はない」とコメントしているが、報道直後の第3話放送というタイミングが視聴者の関心に影響を与えたとの見方がある。
『キャスター』は、阿部さん演じる型破りなキャスター・進藤壮一が、視聴率低迷に苦しむ報道番組「ニュースゲート」で真実を追求する社会派エンターテインメント。
初回は世帯14.2%、個人8.7%、コア視聴率(13~49歳)4.8%と「視聴率三冠」を獲得し、春ドラマのトップを走った。しかし、第2話で11.7%、第3話で10.9%と下落。業界関係者は「時事ネタを取り入れた意欲的な内容だが、ご都合主義的な展開がリアリティを欠くとの声が視聴者から上がっている」と分析する。
SNSでは、のんさんの出演を歓迎する声の一方で、「永野芽郁のスキャンダルが気になって集中できない」「ドラマの軸がブレている」との意見も散見される。あるユーザーは、「報道ドラマとしてのメッセージ性の弱さ、これをのんの出演で相殺できるはずだったのに、永野芽郁がガッツリやらかしてくれたおかげで見たくないという人の方が多くなった結果がこの数字だろうね」と投稿した。
TBSは、永野さんの出演継続を明言しつつ、道枝駿佑さんら他のキャストの出番を増やすことで物語のバランスを取る可能性がある。視聴者の関心がスキャンダルからドラマの内容に戻るか、今後の数字がどう推移していくのか、注目が集まる。
(文/梅林隆介)