
人気YouTubeチャンネル『もちまる日記』(登録者数215万人)が20日、「もちまるの治療のため」と動画投稿の休止を発表した。
スコティッシュフォールドの猫・もちまるを中心に、飼い主「下僕」との日常を配信し、2021年には「YouTubeで最も視聴された猫」としてギネス世界記録に認定された同チャンネル。
しかし、過去に猫虐待疑惑でたびたび炎上しており、今回の休止発表もX上で賛否両論を呼んでいる。
20日、『もちまる日記』は公式YouTubeチャンネルおよびXアカウントで、もちまるが持病の腎臓病悪化のため通院治療に専念する必要があるとして、動画投稿を一時休止すると発表。動画では、下僕が「もちまるの健康を最優先に考え、看病に集中したい」と説明し、具体的な休止期間は未定とした。また、猫の飼い主向けに「愛猫の異変に気づいたら早めの受診を」と呼びかける場面もあった。
もちまるは2019年10月24日生まれのスコティッシュフォールドで、腎臓病の持病があることは過去の動画でも触れられていた。休止発表後、Xでは「もちまるの回復を祈る」「ゆっくり休んでほしい」と応援の声が上がる一方、過去の炎上騒動を背景に「虐待疑惑の責任は?」「休止は炎上逃れでは?」と疑問視する投稿も散見された。
『もちまる日記』は、もちまるや弟猫・はなまる、むぎまるの愛らしい姿で人気を博したが、視聴者や獣医師から「猫のストレスを無視した企画」「虐待行為」との指摘がたびたび浮上。主な炎上事例は以下の通り
●2022年12月:動物病院での撮影
むぎまるが手術前に暴れる様子を撮影し、Xで公開。獣医師「獣医にゃんとす」が「猫のストレスを考えず撮影するのは許し難い」と批判。ネット上でも「病院でカメラを回すのは非常識」と炎上した。
●2023年6月:不適切な動画内容
もちまるが棚に閉じ込められたとする動画や、洗面台で水をかけるシーン、ケンカの様子を撮影した動画が「ヤラセ」「猫をストレスに晒している」と問題視された。動物病院帰りの車内で、もちまるが過呼吸状態に見える動画も批判を浴びた。
●2023年8月:ホテルのベッドでの排泄動画
もちまるがホテルのベッドで排泄した姿を長々と撮影し、すぐに清掃しなかった動画(現在非公開)が「倫理観がおかしい」と非難を浴びた。
●2025年4月:強炭酸水疑惑
Xで「もちまるに強炭酸水を飲ませたネタ動画を撮影し、恐怖から普通の水も飲めなくなり、腎臓病が悪化した」との投稿が拡散。下僕が意図的にストレスを与えたとの批判が上がり、「再生回数稼ぎのための虐待」との声が強まった。
これらの騒動に対し、下僕は一部で謝罪や動画非公開化を行ったが、明確な釈明がないまま企画系の動画を続けたため、「金儲け優先」「猫を商売道具にしている」との批判が根強い。
YouTubeは動物虐待を禁止するポリシーを持ち、「動物に意図的な危害を加えるコンテンツ」は削除対象だが、『もちまる日記』の動画は明確な暴力描写がないため、削除に至っていない。過去に動物虐待で炎上したYouTuber(例:Peluchin Entertainment)の場合、メディアや視聴者の報告で動画が削除された例もあるが、チャンネル自体の閉鎖はまれだ。『もちまる日記』の場合、ギネス記録や企業タイアップの実績が強く、YouTube側も対応に慎重とみられる。
休止期間中、もちまるの健康状態や下僕の対応が注目される。Xでは「休止後も虐待疑惑の説明責任を果たすべき」「もちまるの回復を透明に報告してほしい」との声が上がる。動物愛護の観点から、ペット系YouTuberの倫理観やプラットフォームの監視体制にも議論が及んでいる。
(文/吉良栄蔵)