
元北海道日本ハムファイターズの加藤豪将氏(30)が、NPB(日本プロ野球機構)のSNSとの向き合い方について鋭い提言を行い、注目を集めている。
メジャーリーグとNPBの双方でプレーした経験を持つ加藤氏は、自身のSNSアカウント「加藤豪将気ままに野球TALK」を通じて、NPBの映像利用やファンエンゲージメントの在り方に問題提起。日本のプロ野球界がさらなる魅力発信と発展のために進むべき道を指し示した。
加藤氏は、NPBが定める「写真・動画等の撮影および配信・送信規程」について言及。
この規程は、ファンが試合中のインプレー映像や写真をSNSに投稿することを原則禁止するもので、2025年2月から運用が始まった。しかし、日本ハムは当初「主催者が承認した場合」という条項を活用し、一定の条件下で投稿を許容していた。この運用がNPBから改善勧告を受け、4月7日に日本ハムが謝罪し、他球団に足並みを揃える形で投稿を全面禁止とした経緯がある。
これに対し、加藤氏は自身の経験を踏まえ、NPBのSNS運用が時代に即していないと指摘。特に、MLBでは試合中の映像やハイライトが積極的にSNSで共有され、ファンのエンゲージメントを高めているのに対し、NPBの厳格な規制は「ファンの楽しみを奪い、プロ野球の魅力を発信する機会を失っている」と主張。Xでの投稿では、「映像を用いた発信が制限されることで、若い世代や海外のファンにリーチするチャンスが減っている。NPBはもっと柔軟に、映像の力を活用すべき」と述べた。
加藤氏の提言は、単なる批判に留まらない。彼は具体例として、MLBの選手ハイライトや試合の名場面が即座に公式アカウントやファンによってシェアされることで、選手の個性や試合の興奮が世界中に広がる仕組みを紹介。
「NPBも公式が率先してショート動画を配信したり、ファンがルール内で自由に投稿できる環境を整えれば、新たなファンを獲得できる」と提案した。
また、「日本の球界は素晴らしい選手やストーリーに溢れている。それを閉じ込めるのではなく、積極的に発信してほしい」と、NPB首脳陣に再考を促した。
引退後も野球界への貢献を模索する加藤氏。彼の提言が、NPBとファンの新たな関係性を築くきっかけとなるか、注目が集まる。日本のプロ野球が世界に誇る魅力を、より多くの人に届けるために――加藤豪将の「気ままな野球TALK」は、これからも議論を巻き起こしそうだ。
(文/公文裕介)