22日、「FLASH」(光文社)が21日に最終話が放送された綾瀬はるかさん主演で高橋一生さん、迫田孝也さん、北村一輝さん、柄本佑さん、溝端淳平さんらが脇を固めたドラマに対し“『天国と地獄 ~サイコな2人~』謎を回収してくれよ…視聴者をバカにしすぎな真相”との見出しでコラムを配信した。
同コラムには、『天国と地獄』の中で扱われたエピソードのいくつかが、後々意味を持つものにならなかった、あるいは辻褄を合わせるのがやや強引な部分が目立ったとしており、「伏線回収ができてなくて雑だ」「脚本家・制作側のご都合主義が炸裂」との主張が記されているのだが……。
リアリズムとリアリティ
「FLASHさんのコラムでは、リアリズムとリアリティを混同したような主張が記されていますね。
ドラマはあくまでもフィクションであり、現実にはそうそう起こらないことが描かれているわけです。
そもそも、魂が入れ替わるといった設定や、魂が入れ替わったという話をすぐに受け入れる会社の同僚など身近な人たち、こうした世界観、世界線で『天国と地獄』は描かれていたのであり、このドラマにリアリズムを求めるなんてことが野暮だと思います。
大事なことは、リアリティ、つまり見ている人に説得力を持って訴えることができるかどうか、スーッと受け入れてもらえるかどうかという部分でしょう。
その意味では、視聴者のほとんどがリアリティを感じてドラマを見続けていたように思います。
また、伏線については、後からつながってくる、回収されるからこそ伏線なのであって、すべてのエピソードが伏線である必要性はないかと。
勝手に、『あれは伏線に違いない』と思い込み、『回収されなかったから雑だ』と指摘するのは難癖以外の何物でもないでしょう。
いくつかの伏線を用意しつつ、伏線然としていながらも実はミスリードするためのダミーであったり、単なる事実として配置しただけのエピソードであったり、それらをうまく使い分けるのが脚本家の腕の見せ所とも言えるのではないでしょうか。
まんまと脚本家の絶妙な手腕に踊らされ、ハラハラドキドキさせてもらったのに、さほどありもしない『視聴者をバカにしている』という意見を、まるで多くの視聴者が言っているかのような表現はいかがなものかと思いますよ、個人的には」(メディア記者)
大人気ドラマとなっただけに『天国と地獄』に対しては、様々な思いを持つ人がいるようだ。
(文/佐藤博幸)