コロナ禍や主演の三浦春馬さんの急逝などにより、一時は“お蔵入り”となり誰の目にも触れることがない作品となるピンチに陥っていた映画『天外者』。
紆余曲折ありながらも、映画配給会社としては当時1年強の歴史しか持っていなかったギグリーボックスが手をあげてくれたことにより、無事に昨年12月11日に公開を迎えた。
とは言え、ミニシアターや複数スクリーンを構える劇場の小規模スクリーンがメインという扱いで、およそ1ヶ月のうちに『天外者』は上映終了を迎える予定だった。
全国公開【100日】目を迎えた
だが、三浦さんの最後の主演作品を世に送り出すべく奮闘した多くの人々や企業、送り出された作品を強く支持し続けるファンの熱意は日本全国にものすごい勢いで伝播。
次第に上映スクリーンの規模が大きくなったり、追加上映、上映延長、再上映、ドライブインシアター上映が決まったりしていき、今や3ヶ月を超えるロングラン上映作品となっている。
今後も3月中だけでなく、4月も、5月も追加上映の予定が組まれている大人気作品なのだ。
そんな『天外者』は、20日で全国公開【100日】目を迎えたわけだが……。
「昨年12月の時点では『奇跡』と呼ぶべき結果が、今や『通過点』となっているワケですよね。
スポーツで新記録が生まれるときなんかもそうですけど、偉業が達成される前までは『何年も、下手すると向こう100年記録は塗り替えられない』なんて言われ方をしますし、当事者以外は誰もがそう思ってるんですけど、いざ記録を打ち立てる当事者ってのは、そんな固定観念なんか持っていなくて、いとも簡単に、実際にはとてつもない苦労がそこにはあるんですけど、いとも簡単に『ひょい』と超えていく感じがしますよね。
『天外者』についても、とてつもない苦労の先に今があるんですけど、あまりにも凄すぎて振り返ってみると『ひょい』と超えて行った印象があります。
つまり、『天外者』の偉業はこんなものではなく『年単位のロングランになる』とか『海外、それも複数の国で上映される』とか、そのくらいのレベルになっていくような気がしてなりません」(メディア記者)
ひょっとして……いや、ひょっとしなくても『天外者』物語はまだ序章なのかもしれない。
(文/西野麻衣)