中居正広さんが番組スタート時からMCを務め、この1月からは岡田准一さんを新MCに迎えて放送する予定となっていた、フジテレビ系トークバラエティー番組『だれかtoなかい』。
同番組の放送についてフジテレビが8日、公式サイトにて「当面の間休止とする」と発表した。
12日の放送は別の番組に差し替えとなったことは5日に既に発表されていた。この日、新たに「番組MCの中居氏に関する報道を受け、状況を総合的に検討した結果、1月12日の放送から当面の間休止とする判断に至りました」と公表。「放送を楽しみにされていた視聴者の皆様には、大変申し訳ございません」と謝罪した。
中居さんをめぐっては、昨年12月19日発売の「女性セブン」(小学館)、同月25日の「スポニチ」、翌26日の「週刊文春」(文藝春秋)が性加害とみられるトラブルについて報道。
9000万円もの巨額解決金を支払ったという同トラブルの被害者は、正式に名指しこそされていないものの、昨夏にフジテレビを退社した渡邊渚アナウンサーでほぼ特定される状況となった。
さらに、1月8日の「週刊文春」(文藝春秋)では、渡邊(記事中ではX子、以下同)さんが被害後すぐに複数の幹部社員とアナウンス室部長だった佐々木恭子アナに報告していたことを詳報。
佐々木さんは「大変だったね。しばらく休もうね」と渡邊さんに言うだけで、具体的に渡邊さんを救済するような動きは見せなかったという。
それどころか、渡邊さんに対し「(フジ編成幹部の)Aさんには、このことを相談していないからね」と伝えてきたといい、当時の心境について渡邊さんは「『なぜ言わないんだよ。言えよ』って思いました」と失望と怒りを感じていたことを明かしている。
一連の報道から、少なくとも佐々木さんとAさんは、発生直後からこのトラブルを認識していたのは間違いなく、必然的にフジテレビの上層部も把握していなかったはずがない。
それにもかかわらず、「番組MCの中居氏に関する報道を受け~」という声明を出せてしまうあたりに、同局の悪質性、厚顔無恥っぷりが如実に表れていると言えるのではないだろうか。
(文/野村翔太)