FA資格を取得する前かつ、事前に提示されていた条件未達も、ポスティングシステムでのMLB移籍を許可してもらい海を渡った元日本ハム・上沢直之投手。
「夢を追う」と意気軒昂に旅立ったものの、ほとんどの時間をマイナーで過ごし、ケガも負ったうえで、わずか1年でのNPB復帰を決意。
多くのファンが「当然ハムに帰ってくる」「いったんは古巣の世話になるのが筋」と考えていた中、上沢投手は、エスコンフィールドでの鍵谷陽平投手の引退セレモニーに登場したり、球団設備を使用したり、日本ハムのチームドクターにコンディションチェックをしてもらったり、ファンの気持ちを高める行動をいくつも取ってきた。
しかし、上沢投手が選んだのは、4年総額10億円を提示したと言われるソフトバンクへのFA移籍だった。
そのため、多くのファンが怒りと失望の声を上げている。もちろん、「プロとして当然の選択をしただけ」「そもそも日本ハムが本気で戦力として考えていない空気を察したのでは」と冷静に受け止める声も一定数ある。
そして、上沢投手の動向に日本ハムの新庄剛志監督も心底激怒しているのではないかと話題になっている。
新庄監督は、上沢投手のポスティング移籍を後押し。「マイナー契約ならやめておいた方がいい」と自身の経験も踏まえアドバイスしていた。
ところが、上沢投手はアドバイスを無視する形でマイナー契約を選択。結果的に、ポスティングによって日本ハムが得たのはわずか90万円ほどとなった。
そのうえ、わずか1年でソフトバンクへ行く事を決断され、さすがに頭にきたのだろうか。
日本ハムに在籍する選手、コーチはもちろんのこと、山田遥楓選手、佐藤龍世選手、さらには近藤健介選手といった、かつて日本ハムに在籍していた選手についてもインスタグラムのフォローを継続している一方で、上沢投手についてはこのタイミングでフォローを外しているのだ。
なお、上沢投手はまだ新庄監督のフォローを継続している。
（文／公文裕介）