10日に、死去が発表された日本中央 競馬会(JRA)所属騎手の角田大河さん。
同騎手は1日の20時30分頃、函館競馬場の芝コース内に自動車で乗り入れ芝コースを損傷させたとして、3日からの騎乗停止処分を下され、停止期間については裁定委員会の議定により決められると発表されていた。
一方で、JRAからの事情聴取を受けた今月2日以降、消息が不明の状態となっていたが、9日、北海道札幌市厚別区のJR上野幌駅で2日に発生した人身事故ではねられた男性の身元が、「滋賀県栗東市に住む20代の男性」と特定されたことが警察から発表されていた。
聴取後には自力で立ち上がれないほどに憔悴していたという情報もあり、自身が犯した問題の重大さを認識した角田騎手が、電車に飛び込み自殺したものとみられる。
角田さんが函館の芝コースへ自動車で侵入した際、同乗者がいたことはJRAから公表されている。しかし、同乗者の身元については明かされていない。
だが、同乗者については「騎手だったのではないか」との見立てが騒動当初からあり、16日の「現代ビジネス」(講談社)が「騎手だった」というスポーツ記者の明言を記事にした。
そして、具体的な名前を挙げてJRAに同乗者について取材したところ「回答を差し控えさせていただきます」と肯定も否定もしない回答があったとも伝えている。
事の経緯から考えて、同乗していた可能性が高いのは角田騎手と同期あるいは後輩の騎手。そして、7月最終週および8月1週目に札幌競馬で騎乗した騎手とみられる。
最有力候補は、長浜鴻緒、高杉吏麒、川端海翼の3騎手ということになる。
本人の意思に反し、角田騎手に半ば強引に付き合わされたということであれば、長期の騎乗停止にする必要はないだろうが、1~2日の騎乗停止など具体的な処分を与えられた方が、その後の顛末を考えると、同乗者本人にとって精神的な負担をいくらか軽減できるように思えるのだが…。
(文/豊田武志)