日本中央競馬会(JRA)所属の武豊騎手と坂井瑠星騎手が31日、大井競馬場でトークショーを行った。
この日、大井では第45回サンタアニタトロフィー(S3)が開催。同競馬場と友好交流提携しているサンタアニタパーク競馬場があるアメリカで騎乗経験のある両騎手が熱いトークを繰り広げた。
「過去でも現在でも、乗ってみたい馬は?」との問いには、坂井騎手が「ケンタッキーダービーのフォーエバーヤング。もっと何かできたんじゃないか」と、現地時間の今年5月4日に行われたレースを挙げた。
これに「例えばどんなことができた?」とさらに問われると、坂井騎手は「最初のスタートからそうですし、最後の直線でこう手を出せばよかったかな。押し返したら、もうちょっと(いい結果が)あったかな」と回答。これに会場からは笑いが起こった。
すると、武豊騎手はすかさず「池添呼んで来たら良かったのに」とコメント。会場は大爆笑に包まれた。
自身を上回るブラックユーモア、しかも先輩騎手に関するイジリとあって、坂井騎手はコメントに窮していた。
今年のケンタッキーダービー、坂井騎手が手綱を取ったフォーエバーヤングは、スタートで後手を踏み、道中もポジション取りに苦労しながら、最後の直線では外から鋭い末脚を披露。優勝までアタマ差という僅差での3着入線となった。
1着は、スタートから2列目の最内を終始回り、直線で早々に先頭に立って、後続の追撃を凌ぎ切ったブライアン・ヘルナンデス・ジュニア騎手のミスティックダン。
2着は、フォーエバーヤングとの叩き合いで伸びてきた、タイラー・ガファリオン騎手のシエラレオネで、フォーエバーヤングは、左に刺さる癖のあるシエラレオネに直線で何度も馬体をぶつけられ、挙句、ゴール直前にはガファリオン騎手の左手で押さえつけられるような形となった。
坂井騎手を含めフォーエバーヤング陣営は、このガファリオン騎手の行為に思うところはあったようだが、ペナルティーを求めることはしなかった。
池添謙一騎手は今年6月24日夜に、函館市内の飲食店にて複数の騎手同志で飲食中、互いに酒に酔った状態で富田暁騎手に対し高圧的な態度で絡むなどの行為に及び、その後、調整ルーム内にて双方が口論から揉み合い乱闘劇に発展。
池添騎手自身は負傷がなかったのに対し、富田騎手に鼻骨と肋骨の骨折を負わせ、JRA開催4日間の騎乗停止処分を受けていた。
(文/豊田武志)