19日21時より『日本アカデミー賞』の授賞式が日本テレビ系で放送される。
だが、昨年12月11日に封切りを迎え、今日の『日本アカデミー賞』に選ばれる対象期間に含まれていたにもかかわらず、三浦春馬さんの最後の主演映画『天外者』は、作品賞にも主演俳優賞にも監督賞にも全く選ばれなかった。
おそらく、三浦さんのファンのかなりの割合の方は、この事実に対して不満や疑問を感じていることだろう。
なんとも不思議
『天外者』が何の勲章も得ていない状況であれば、まだ理解できなくもないが、2月には「キネマ旬報ベスト・テン」にて“読者選出日本映画第1位”&“読者選出日本映画監督賞”をダブル受賞している。
また、16日に表彰式があった「東京新聞映画賞」も受賞している。
これで、『日本アカデミー賞』では箸にも棒にもかからない……なんとも不思議なものだ。
ただ、『日本アカデミー賞』は1978年誕生で今回が44回目という歴史を持つのに対し、「キネマ旬報ベスト・テン」は1924年誕生であと3年で100年と、『日本アカデミー賞』の倍以上の歴史を持っている。
つまり、“アカデミー賞”の響きとは裏腹に、「キネマ旬報ベスト・テン」での選出の方が圧倒的に価値があると言えるのではないだろうか。
19日には、新たに千葉県柏市にある「キネマ旬報シアター」において4月3日から『天外者』の追加上映が行われることが分かった。
また、最も遅い追加上映は、なんと5月11日から大分県豊後高田市にある「玉津東天紅」で予定されている。
封切りからちょうど5ヶ月のタイミングからの追加上映が決まっている、これだけの偉大な作品だが、『日本アカデミー賞』からはそっぽを向かれてしまった。
とは言え、これが残念なことなのかと言われれば、大したことではないのかもしれない。
他の賞を受賞もしているし、何よりも多くのファンの熱い愛を受けているのだから。
(文/窪田翔吾)