フジテレビは5日、東京・台場の同局で定例社長会見を行い、人気ドラマ『古畑任三郎』の再放送で、問題となった“黒塗りSMAP”の経緯について説明した。
同ドラマの30周年を記念し、全シーズンを一挙再放送する中で、第3シーズンの最終盤に歴代犯人の顔写真がずらりと並んでいる場面において、SMAP5人(中居正広さん、木村拓哉さん、稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん)の顔写真に黒塗り加工が施されていた問題。
この問題について、矢延隆生専務取締役は「当社の放送対応で視聴者の、関係者の皆さまにご迷惑、ご心配をおかけいたしました。制作の詳細についてはお答えを控えさせていただきます」とコメント。
そのうえで、黒塗りに至った経緯については「事務所から要望ではありません」と説明。「TVerでは加工せずに配信することになりました」とも報告した。
つまり、旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.およびSTARTO ENTERTAINMENT)の意向を確認することなく、フジテレビが独自に「SMAPの顔写真は黒塗り加工で隠した方がいい」「お茶の間にSMAPの顔を見せることは不適切」と判断したということになる。
フジテレビは今回の説明により、自社が人権意識もモノづくりの関係者たちに対する敬意も著しく欠いていることを自白したことになるが、その重大さを理解しているのだろうか。
(文/福田優太郎)