アミューズが28日、公式Xを通じ、東京都知事選(7月7日投開票)のポスター掲示板に同所属アーティスト・三浦春馬さんの氏名と肖像(似顔絵)が使用された件について、「一切許諾しておらず、当社は東京都選挙管理委員会に対し抗議しております。このような事態に当社は強い憤りを覚えており、またご遺族も大変心を痛めております」と声明を発表した。
同社は「当社が行った抗議の趣旨としては、昨今、世間を騒がせている『候補者以外の人物の写真を 使用したポスター掲示』で論議されている選挙制度や公職選挙法の問題ではなく、三浦春馬の氏名と肖像(似顔絵)が無許諾で、しかも(後述のとおり)商業目的で選挙ポスターに使用されているという、パブリシティ権の侵害についてです」と説明。
「このような行為は、三浦春馬がアーティスト活動を通して培った名声や魅力の無断冒用及び権利侵害であり、当社は、三浦春馬の氏名と肖像(似顔絵)を無断冒用した選挙ポスターを掲示した者がただちにそれらを撤去することを求めます」と強く訴えた。
また「三浦春馬の氏名と肖像(似顔絵)が無断冒用された選挙ポスターにはQRコードが付されており、最終的には動画共有サイトの有料メンバーシップの紹介等の商業目的に使われていると見受けられました。皆様におかれましては、今回の選挙ポスターによる収益活動に利用されませんようご注意ください」と注意喚起。
そのうえで「今回の選挙ポスターについては、ファンの皆様からも多くの情報提供をいただいております。このような出来事にファンの皆様の心中を思いますと当社としても胸が痛みますが、皆様から頂戴しました貴重な情報やご意見はすべて拝読しており、大変感謝しております。いつまでも三浦春馬及び彼が出演した作品をご愛顧ください」とし、「当社は、本件に限らず、アーティストの権利を侵害する事案に対しては、引き続き毅然とした対応を行って参ります」と記した。
今回の都知事選ポスターについては極めて悪質なものであり、アミューズが抗議声明を発したことは至極当然の流れ。
一方で、同社は、7月7日に三浦さん最後の主演映画『天外者』(配給:ギグリーボックス、監督:田中光敏さん)が4年連続となる「七夕上映会」を実施することについて、情報解禁から3週間を経過しても一切触れていない。
そのため、ファンからは「ポスターの件はもちろん注意すべき。でも、『天外者』がいまだにロングランが続いていて、4年連続で七夕上映会ができるという偉業を、所属事務所として応援しないのはおかしい」「天外者のことを、三浦さんとスタッフのアカウントで告知すべき」といった声が上がっている。
(文/窪田翔吾)