旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)が30日、公式サイトの「お知らせ」ページで、同事務所の創業者で元社長・ジャニー喜多川さんによる性加害の被害者となった方々が、誹謗中傷による二次被害に遭っていることについて注意喚起を行った。
「弊社は、被害者の皆様及びその御家族に対する誹謗中傷は絶対に許されないと考えており、これまでも誹謗中傷をやめるよう要請して参りました」「被害者の皆様及びその御家族に対するいかなる誹謗中傷もやめることを、ここに改めて要請します」と、まるで今までも繰り返し行ってきたかのような口ぶりで、注意喚起を行った。
だが、同事務所が被害者への誹謗中傷に触れたのは、昨年2回開いた会見のうち1回だけ、それもほんの一言二言触れただけに過ぎない。
以降は、性被害に遭った方々に向けた専用サイトのトップに、それらしい文言を常時表示したのみ。中傷の加害者や、一般の方々が目にするところには、一切の注意喚起をして来なかったと言って良いだろう。
また、BBCのドキュメンタリーにおける取材を受けた際に、東山紀之社長が「誹謗中傷は表現の自由」というニュアンスで語ったことも記憶に新しいところ。
今回、実質“初めて”となる性被害者への注意喚起を行った背景も、当事者の気持ちや現況に寄り添ったと言うより、国連人権理事会の作業部会による声明が出たことを受けて「やってますよ」アピールをするためのものに過ぎない。
この問題は、極めて残念なことに、昨年10月時点で死者を出してしまった問題でもある。それにもかかわらず、7ヶ月以上を経過して、ようやく実質初めての注意喚起を行っているという状況なのだ。
SMILE-UP.とは、そういう会社なのである。
(文/福田優太郎)