将棋の第9期「叡王戦」五番勝負の第3局が2日、名古屋市「名古屋東急ホテル」で行われた。
藤井聡太八冠は、第2局に続き挑戦者・伊藤匠七段に敗れ、対戦成績は藤井八冠から見て1勝2敗となった。
藤井八冠は、22回目のタイトル戦にして初めて、番勝負での連敗を喫した。また、相手に先にタイトル獲得王手を許したのもこれが初めて。
先手の藤井八冠はこの日、序盤から危なげない指し回しで徐々にリードを広げ、終盤には一時、AIの示す形勢グラフが藤井勝利70%超を示していた。
ところが、先に持ち時間を使い切り、1分将棋での判断を繰り返される中で、次第に形成を逆転され、146手で投了するに至った。
31日に千葉県の「柏の葉カンファレンスセンター」にて、伊藤七段の先手で行われる第4局に敗れれば、ついにタイトル戦初の負けが決まるとともに、7ヶ月半の在位期間で八冠の座から陥落することになる。
(文/香田竜馬)