28日、JRAの蛯名正義騎手が34年間の騎手人生に幕を閉じた。
武豊騎手と同じく1987年にデビューし、これまでに積み重ねたJRAでの勝ち星は2541を数え、歴代4位。
そのうち重賞レースでの勝利が129、G1レースでの勝利も26を数える。
蛯名騎手の、このG1レース26勝のうち、1番人気で勝利を飾ったのはわずかに6回。
実に20回のG1勝利が2番人気以下でのものであり、最後のG1勝利3つはそれぞれ6番人気(2015年・エリザベス女王杯、マリアライト)、8番人気(2016年・皐月賞、ディーマジェスティ)、8番人気(2016年・宝塚記念、マリアライト)と、いずれも人気薄の相棒を優勝へと導いたものだ。
凱旋門賞で武豊騎手と蛯名調教師
「蛯名騎手と言えば、豪快な追い込みの印象が強いですね。
ダンシングスタイルの騎乗で、直線だけで他馬をごぼう抜きにするイメージです。
また、日本ダービーや凱旋門賞での2着という、非常に惜しいところで国内、そして海外でも最大の栄誉に手が届かなかったというイメージもあります。
騎手として、その栄誉を掴むことはできなくなりましたが、今度は蛯名調教師としてビッグタイトルの夢を掴んでほしいなと思いますよ。
引退セレモニーのVTRコメントでは、同期の武豊騎手が『今まではできなかった、(武豊騎手&蛯名調教師という形で)一緒に勝つことができる』『もちろん僕が乗せてもらえるかどうかは分からないけど』とこれからの2人の関係に想いを馳せていました。
多くの競馬ファンもそのシーンを見たいと思っているでしょうし、日本ダービーや凱旋門賞で武豊騎手と蛯名調教師による勝利が見られれば、日本競馬にとって最高のニュースになるなと期待してしまいますね」(スポーツ記者)
数々の感動シーンを生み出してきた蛯名騎手の34年に渡る活躍に感謝し、お疲れ様でしたと告げるとともに、3月1日からスタートする蛯名調教師の目覚ましい活躍に期待したい。
(文/豊田武志)