昨年10~12月期に放送され、高い満足度とコア視聴率、さらには見逃し配信でも高い支持を獲得した、木南晴夏さん主演、生見愛瑠さんが準主演の日本テレビ系連続ドラマ『セクシー田中さん』。
同ドラマの漫画原作者である芦原妃名子さんが29日、急逝したことが分かった。自殺ではないかとみられる。
芦原さんは26日、自身のX(旧Twitter)で「9話、10話(最終話)の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情」を突如、告白。
芦原さんは“ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく”“漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様「原作者があらすじからセリフまで」用意する。原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分(8~10話)については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある”との条件を提示したうえで、ドラマ化に合意していたという。
しかし、毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出され続け、登場するキャラクターについても改悪だらけ。芦原さんは“枠にハマったキャラクターに変えないでいただきたい。私が描いた『セクシー田中さん』という作品の個性を消されてしまうなら、私はドラマ化を今からでもやめたいぐらいだ”と伝え、粘り強く説明しながら、加筆修正を行って8話までは対応。
そして、“日本テレビさんから8話までの脚本を執筆された方は9話、10話の脚本には関わらないと伺ったうえで、9話、10話の脚本は、プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、という解決策となりました”と、当初の「原作者が脚本を執筆する」という形式で9~10話は作られたことを明かした。
芦原さんの告白には「これは日テレサイドが悪い」「日テレだけじゃなく、テレビは局の外にいる人のことをないがしろにしすぎ」「契約条件をきちんと交わしていてもこんな感じなんて、本当にひどい」など、同情的な声が多かった。
一方で、「何を今さらSNSでわめいてるの?」「直接、日テレとか脚本家に言えばいいのにどういうこと?」など否定的な声や、誹謗中傷にあたるような投稿もみられた。
そもそも、芦原さんがこのような苦言を呈するに至ったのは、そもそも脚本を担当した相沢友子さんが一方的にSNSを使って芦原さんを悪者扱いするというケンカを売ったからではないかとみられている。
相沢さんは昨年12月24日、『セクシー田中さん』の最終話放送当日に、自身のインスタグラムにこう綴っていた。
「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました」
さらに12月28日にも「脚本家の存在意義について深く考えさせられるものでした。この苦い経験を次へ生かし、これからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています」と語っていた。
芦原さんは1月28日、Xに「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」とし、当該の投稿を削除。同様の意見を綴っていたブログも閉鎖していた。
(文/兵藤瑠衣)