昨年の漫才師日本一を決める賞レース『M-1グランプリ2023』(テレビ朝日系)で、優勝した令和ロマンと超僅差の戦いを繰り広げ、準優勝となったヤーレンズ。
令和ロマンとヤーレンズは、いずれも前年の『M-1グランプリ2022』では準決勝敗退。惜しくも敗者復活戦からの決勝進出も叶わなかった。
そして、この敗者復活戦のときに、両コンビは2023年にツーマンライブを行うことを約束。1年間、毎月、ツーマンライブで互いの笑いを磨き合い、見事に揃って『M-1グランプリ2023』決勝進出を成し遂げ、さらには優勝・準優勝コンビとなった。
令和ロマンは吉本興業所属。一方のヤーレンズは、大阪NSC出身で吉本興業所属を経て2014年からは現在のケイダッシュステージ所属。
事務所の垣根を超えた交流により大輪の花が咲いた。そんな『M-1グランプリ2023』の結果を受け、お笑い界の未来は一気に幅を広げていくことになるのではないかと期待された。
ところが1月25日、吉本興業はある決断を下したという。
それは、吉本主催のライブに他事務所の芸人を呼ぶことを禁ずるというもの。
吉本興業から具体的な発表はないものの、そうした動きがあったことをあるSNSアカウントが発信・拡散。
また、吉本所属のお笑いコンビ・めぞんの吉野おいなり君さんは「なんかよしもとの方針で色々あって主催ライブに他事務所の人を呼べなくなりそうです。こたけをキモいコーナーライブに呼ぶことが叶わなくなりました。ごめんね。こたけ」と、ワタナベエンターテインメント所属のこたけ正義感さんにX(旧Twitter)のサブアカウントで謝罪。
こたけ正義感さんも「某社の鎖国はリーガルチェックが必要だなぁ」とXに投稿。
浅井企画に所属のお笑いコンビ・マリオネットブラザーズの井上大生さんも「よしもとで4月から漫才ユニットライブに参加させてもらえる予定だったのが無くなったんよ。悲しいよ」と投稿している。
さらに、ヤーレンズの出井隼之介さんも「これが最後の幕張よしもとかもしれません」と、25日のよしもと幕張イオンモール劇場での出演前にXに投稿した。
状況的に、吉本が決断を下したことは確実だろう。その決断の背景には一体何があったのか、そして何を意図してのものなのか。それは、今後分かってくる部分ではないかと思われるが、今回の決断がお笑い界全体の発展の妨げとなることは確実ではないだろうか。
(文/スコッティ角筈)
~ライター略歴~
長崎県出身
本人曰く「ヲタク」として生きていくためにライター稼業を始めたという
アイドルやドラマ関連の記事を多く執筆する