テレビ東京が26日、17時05分から17時20分までの放送枠で、局としての旧ジャニーズ(現・SMILE-UP.)性加害問題の検証番組『ジャニー喜多川氏の性加害問題~検証報告と今後の対応について~』を放送した。
「ジャニー氏の家や合宿所などに行ったことがあるが、性加害の現場は見たことがない」といったものや、「ジャニー氏の性癖のうわさを知っている人は多くいたのに誰も指摘しなかった。誰も告発する勇気がなかった」といった、現役社員と元社員を合わせた134人を対象に行った調査により出てきた証言を紹介した。
問題の特性上、「性加害の現場を見た」という証言ができる人物はそもそもいないのが当然。それを証言として紹介するのは、局の姿勢としていかがなものだろうか。
また、16時50分からプロ野球のドラフト会議をTBS系で生中継している裏で、なおかつ事前に番組内容を告知することなく、しかもわずか15分という枠で、こっそり検証番組を放送するところにこそ、テレビ東京もまた、いまだに「メディアの沈黙」から抜け出そうという気概がないことが如実に表れていたと言えるだろう。
「うちの局では、もうやりましたよ」というアリバイ作りのためだけの番組だったと言われても仕方あるまい。
(文/等々力おさむ)
~ライター略歴~
山梨県出身
かつては某俳優の付き人を務めていた
現在は芸能ネタを中心にライターとして活動中