旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)創業者のジャニー喜多川さんによる性加害問題で、アイドルグループ「忍者」元メンバーの志賀泰伸さんが、「テレビ朝日のプレハブ内のトイレで性被害に遭った」と証言。
志賀さんは1984年に15歳でジャニーズJr.に加わっており、「東京新聞」の取材に答える形で、東京・六本木にあったテレビ朝日の3階建てプレハブの3階「第1リハーサル室」で、歌やダンスのレッスンを受けていた際、休憩時間中にトイレにいたところを襲われたと明かしている。
NHK、TBS、日本テレビはそれぞれ、自局が同問題にどのように関わっていたかの検証番組を報じたが、フジテレビとともにテレビ朝日は未だに検証番組を報じていない。
しかしながら、18日の「週刊文春 電子版」(文藝春秋)が、テレビ朝日関係者の「これまで最も性加害報道に消極的だったテレビ朝日も、10月11日の局長会で早河洋会長が『60分から90分規模の特別番組を制作する』とようやく検証をスタートさせました。11月中旬に放送予定です」と明かしたと報じており、約1ヶ月後に、今回明かされた局の施設内における性加害も踏まえたものが公表されるのか注目される。
なお、東京新聞の取材に対し、テレビ朝日は文書で「当社施設内でジャニー氏の性加害があったかどうか、当時の音楽番組担当スタッフにヒアリングしたが、全く認識がないとのことだった」と回答。プレハブは既に取り壊され、30年余り経過して関係者の多くが亡くなっており「第三者の調査は非常に難しいと考える」としたという。
第三者による調査が困難かどうかは、調査を委ねられた第三者が判断すれば良いこと。現状の態度からは、テレビ朝日が問題の検証に相変わらず消極的だということだけは明らかだ。
(文/大野ルナ)