12日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、9月30日にマンション18階から「転落死」し、警察が「自殺」とみて調べていると報じられた、宝塚歌劇団・宙組の“有愛(ありあ)きい”さんが受けていた壮絶パワハラについて詳報している。
舞台稽古中はもちろんのこと、休憩中も宙組の組長・松風輝(まつかぜあきら)さん、男役トップスターの芹香斗亜(せりかとあ)さんを筆頭に、花菱(はなびし)りずさん、優希(ゆうき)しおんさんらが、有愛さんに対し顔を近付けて罵声を浴びせ続けるなど、壮絶なパワハラを連日行っていたという。
宙組生徒の「『下級生の不手際は、すべてお前の責任だ』と“集団リンチ”のような目に遭っていました」「休憩中にも、代わる代わる延々と詰め寄られていました」との証言も記されている。
また、有愛さんの自殺を知らされ、下級生が嗚咽し、一部は過呼吸に陥るなど悲しみとショックに暮れているときも、松風さんと芹香さんは「それでも私は公演をやりたい」「休みたい人がいるなら、できる人だけでやればいいじゃない!」という調子だったという。
「構造がジャニーズ事務所と同じですよね。
閉鎖された組織の中で、世間とは大きくズレた文化が醸成される。社長や副社長、宝塚歌劇団・宙組の場合は組長やトップスターが、率先して問題を看過したり、あるいは加担したりする。
問題が報道などで指摘されても、上層部が口を揃えて『問題はなかった』『下級生がだらしない』『実力がないから残っていけなかっただけだ』などと語り、それに対し狂信的信者のようなファンもまた『トップスターや組織の幹部など立場ある人が言っているんだから、それが事実なのだろう』などと考えるといった具合ですから」(メディアコメンテーター)
宝塚歌劇団は7日にようやく、外部弁護士を招き第三者の調査チームを立ち上げると発表したが、再発防止特別チームの調査・提言を受けた後のジャニーズを見る限り、そう易々と組織の体質は改善されないことが分かる。
悲しい出来事を繰り返さないためには、今後も世間が注意深く見ていく必要があるだろう。
(文/中野慎二郎)
~ライター略歴~
東京都中野区出身
演劇&音楽を愛しアーティスト活動を20年に渡り行うも鳴かず飛ばず
2017年より自身の経験と人脈ををもとにフリーライターとして活動