7日に放送されたTBS系『報道特集』。
約1時間(CMを除くと45分ほど)にわたり、ジャニーズ性加害問題や、それを可能にし続けたメディアに対する圧力、メディアの沈黙を掘り下げた同番組。
キャスターを務める村瀬健介さんが「報道局員は、仕事でジャニーズ事務所の関係者とかかわることはほとんどありません。それでも社内で見聞きしてきた経験から、“ジャニーズは面倒だ”という感覚を持っている局員が私を含め大勢います」と発言したり、制作担当者による「怒らせたらダメ。この1年の間にも、ジュリー氏を通してキャスティングをめぐる圧力が番組にあった」との証言を取り上げたり、強い姿勢で同問題に臨む姿勢を示していた。
「まだまだ不十分」と、さらなる調査・検証を求める声もあったものの、TBSが問題と向き合う姿勢が見え始めたとして評価する声も多かった。
ところが、同番組の見逃し配信(TVer・YouTube)には、放送後まもなく前半だけがUPされ、村瀬さんの発言やジュリー氏の圧力に触れた後半は、10日の夕方までUPされない状態が続いた。
「やはり圧力が続いているのか」「TBSはこんな形でまだジャニーズに無用な配慮や忖度をするのか」といった声がいくつも上がっていく中、10日夜になってようやく後半もTVerにUPされた。
しかし、この後半、10日夜にUPしたのだから、17日いっぱい、あるいは18日の昼12時まで視聴可能とすべきところを、7日中にUPされていた前半と同じく15日の昼12時が視聴期限。
また、視聴期間の制限がないYouTubeには、いまだに後半がUPされていない。
おそらく、TBS局内でジャニーズへの忖度を続けようとする勢力と、メディアとしての責務を果たそうとする勢力のせめぎ合いが起こっているのではないだろうか。
(文/福田優太郎)