失った信頼を取り戻すための第一歩としなければいけなかった、ジャニーズ事務所が2日に開催した創業者で元社長・ジャニー喜多川さんによる性加害問題をめぐる2度目の記者会見。
質疑応答で紛糾する場面はあったものの、これを出席した井ノ原快彦さんがスムーズに捌いてみせ、終了後には同会見を好意的に捉える記事が多数上がった。
ところが、都合の悪い質問をする可能性のある記者やジャーナリストを排除する「指名NGリスト」や、同事務所に都合の良い質問をする可能性が高い記者やジャーナリストを選別した「指名候補リスト」が会場に持ち込まれていたことが発覚。
とんだイカサマ会見だったことが露見したことで、信頼を取り戻すどころか、さらに失墜させ、やり直し会見の開催が必須という状況を生み出してしまった。
先述の井ノ原さんによる紛糾収めも、「子どもが見ています」「落ち着いてお願いします」というもので、もともと「子どもをダシにしたうえでの論点ずらしだ」と批判する声も一部であった中、イカサマの上に成り立っていたということが分かったことで、さらに否定的に見る向きが強まっている。
そして、もとより「異常」と言われていた井ノ原さんの紛糾収めに対する会場での拍手。
本来、不祥事について追及される立場であるはずの井ノ原さんが、理不尽な質疑応答ルールに抗議した記者に対し「落ち着いてお願いします」と言い放ち、ともすればさらなる批判を浴びておかしくないはずの場面。ここで、井ノ原さんに対し「よく言った」と言わんばかりに拍手が巻き起こったのだ。
一部の記者やジャーナリスト、カメラマンが一斉に拍手するという異様な光景には「宗教じみている」といった声もあった。
この場面、なんと井ノ原さん、東山紀之さんとともに、1度目の会見に続いて壇上にあがった木目田裕弁護士が拍手をしていたことが分かった。
井ノ原さんの「どうか、どうか、落ち着いてお願いします」の言葉に3度頷き、巻き起こった拍手には2度ほど手を叩いたものの、さすがに拍手はまずいと思ったのか、すぐさまこれを止めて誤魔化すように腕組みをする木目田さんの姿が、SNSなどで拡散されている。
ニヤけてしまうのを必死に隠しながら、拍手していた方々の方を見やり、あらためて大きくウンと頷く木目田さんの姿からは「しめしめ、上手く行ったな」という心の声が聞こえてきそうだった。
(文/等々力おさむ)
~ライター略歴~
山梨県出身
かつては某俳優の付き人を務めていた
現在は芸能ネタを中心にライターとして活動中