ジャニーズ事務所が2日、創業者で元社長・ジャニー喜多川さんによる性加害問題をめぐり、2度目となる記者会見を開いた。
ジャニーズ事務所は10月17日付で「SMILE-UP.（スマイルアップ）」へと社名を変更し、今後は被害者の補償のみを行っていく。所属タレントについては、マネジメント業務を担う別会社を新設。この新会社についてはファンクラブを通じて社名を公募するという。
質疑応答では「1社1問のみ」というジャニーズの“上から目線”なルールが設定され、質問への回答が要領を得ない場合や、さらに深掘りしたい場合でも関連質問は一切許されず。
このルールに業を煮やした記者たちが「茶番だ」「関連質問を！」と要求したものの、新会社の副社長となる井ノ原快彦さんが「こういう会見の場は全国に生放送で伝わっておりまして、小さな子供たち、自分にも子供がいます。ジャニーズJr.の子たちもいますし、それこそ被害者のみなさんが『自分たちのことでこんなに揉めてるのか』というのを僕は見せたくないので、できる限りルールを守りながら、ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せて行きたいって思ってますので、どうか、どうか落ち着いてお願いします」と呼びかけると、大勢詰めかけた芸能リポーターが拍手をするという驚愕の事態まで起こった。
ジャニーさんの性加害および組織ぐるみでこれを隠蔽していたことは、もちろん滅茶苦茶。
出直しのための会見で、記者たちにとって不都合なルールを設定することも滅茶苦茶。
それを棚に上げ、子ども達を盾にして「ルールを守りましょう」と呼びかけ、言いなりになっているサクラ同然の芸能リポーターが拍手をすることもまた滅茶苦茶。
会見場の雰囲気だけを見れば、「これで撤退ドミノが起こったスポンサー企業も戻ってくるのではないか」と錯覚するかもしれないが、賢明なスポンサー企業たちは今回の滅茶苦茶な会見を冷静に見ていたようだ。
ある食品メーカーは「驚くような内容ではなかった」と語り、キリンHDは「現時点で起用停止の方針は変更ない」としている。
（文／福田優太郎）