ジャニーズ事務所が2日、創業者で元社長・ジャニー喜多川さんによる性加害問題をめぐり、2度目となる記者会見を開いた。
ジャニーズ事務所は10月17日付で「SMILE-UP.(スマイルアップ)」へと社名を変更し、今後は被害者の補償のみを行っていくという。
所属タレントについては、マネジメント業務を担う別会社を新設。この新会社についてはファンクラブを通じて社名を公募するという。
質疑応答においては、ジャニーズあらためスマイルアップが「露骨なメディア統制」を行っていることが浮き彫りとなった。
記者席の最前列中央にいた、1993~2022年の30年に渡り朝日新聞に在籍、現在はYouTubeのニュースメディア『Arc Times』の創業者兼CEOでもあり編集長の尾形聡彦さんが、懸命に挙手し指名されるのを待っていたものの、不自然にスルーされた。
また、前回の会見では要領を得ない回答に対し舌鋒鋭く追加説明を要求し、登壇者たちの本音を引き出すことに大きく貢献した、東京新聞の記者で『Arc Times』ではキャスターも務める望月衣塑子さんに対しても、「追加説明を別の質問とみなす」という司会者の妨害により一切機能させないという状況だった。
これにより、質問に対して十分に答えていない、見当違いの回答をしているという場面が何度もみられながらも、やり取りが醸成されることなく看過されてしまうケースが目立った。
一方で、指名された記者が「30年来のジャニーズファン」で、やたらと時間をとって個人的なジャニーズ愛を語る場面も。これには司会者が注意することもなく、東山さん、井ノ原さんが揃って「ありがとうございます」と感謝を述べるという有様だった。
メディア統制が明らかで異様な会見をもって、ジャニーズあらためスマイルアップは事態の収束を狙っているようだが、こんな煙に巻いたような対応では多くの方から理解を得ることは不可能だろう。
(文/福田優太郎)