ジャニーズ事務所の創業者で元社長・ジャニー喜多川さんによる性加害問題をめぐり、NHKの稲葉延雄会長が27日、定例記者会見の中で、ジャニーズ事務所による被害者への補償と再発防止策の着実な実施が確認されるまで、新規に所属タレントの出演依頼を行わない方針を示した。
一方で、同問題に関する報道が極めて不足していたことについて「深く反省している」「今振り返ると十分でなく、事務所のありようも検討しないでやってきたのが問題だった。忖度ではなく、考慮すべき要素が欠落していた」などと述べながら、同事務所とNHKとのこれまでの関係については「第三者委員会などでの調査は行わない」とした。
NHKのリハーサル室が、まさに「child abuse(児童虐待)」の温床となっていたとの指摘や、ジャニーズ事務所所有の7階建てビルのうち3フロアを、必要に迫られているとは到底言い難い状況にもかかわらずNHKが賃借契約し、毎年2億円以上を同事務所に支払い続けているという報道、これだけ限りなく黒に近い疑惑がありながら、第三者による調査を拒否するとは。
「長年にわたり、受信料を使ってchild abuse=児童虐待に大きく加担し続けた」との誹りがあるのも当然。
そもそも加害者側との指摘を受けているNHKが、調査実施の決定権を持っていると考えていること自体が厚顔無恥。
自分達でまともな判断ができない以上、受信料を収めている、オーナーである国民に、調査の要否について問うのが筋ではないだろうか。
(文/福田優太郎)