ジャニーズアイドルグループ「キンプリ」こと「King&Prince」の永瀬廉さんをCMキャラクターに起用している「健栄製薬」が11日、「所属タレントにも被害者の方がいる可能性もあると考えると、現時点で契約をすぐに解除することは考えていない」と、今後も契約を継続する方針を表明した。
ジャニーズ事務所は記者会見を7日に開き、創業者で元社長のジャニー喜多川さんによる性加害問題を事実認定。
そのうえで、前社長の藤島ジュリー景子さんは代表取締役に残留し株式100%保有も継続。新社長に就任した東山紀之さんは、自らの局部を皿の上に乗せ「僕のソーセージを食え!」と後輩に迫ったとのエピソードについて「あったかもしれない」と発言。
再発防止特別チームから解体的出直しを求められていたにもかかわらず、とんだ茶番劇を見せたことで、アサヒグループHD、キリンHD、サントリーHD、日産自動車など大手企業が続々とジャニーズ事務所との契約を更新しない方向へと舵を切っていた。
契約を更新しないこれらの企業も「所属タレントにも被害者の方がいる可能性もある」ということ、起用しているタレント自身に罪がないであろうことは当然理解しているだろう。
重要なことは、CM契約は発注する企業と受注する企業の間の取引であるということ。
「空前の性犯罪者の名を冠した企業、新社長にも性加害の疑いがあり、体質改善に動く気がほぼゼロの企業」と取引を継続するということは、自社が「性加害を容認し、性加害に加担する企業である」と宣言しているのと同義なのである。
その意味では、「所属タレントにも被害者の方がいる可能性もある」を契約継続の根拠とするのは詭弁でしかないだろう。
(文/福田優太郎)