当初は「知らなかった」で済ます算段だったところ、国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会が調査に乗り出したことで国際問題に発展。
どうにも逃げられない状況に外堀を埋められたことで、ようやくジュリー社長の辞任・退任やむなしとの判断をしたものと考えられる。
そのうえで、ジャニーさん、ジュリーさんら創業者一族に全責任を負わせて排除する代わりに、元マネージャーによる性加害、なにわ男子の大西さんによる性加害疑惑など、一族以外の問題については積極的に触れないことで風化することを目指すことに決めたのではないだろうか。
言うなれば、ジュリー社長の辞任と引き換えに、大西さんの性加害疑惑に対する追及を封じようという狙いがあるのではないかと考えられる。
そうであれば、ジャニーさんによる性加害をうやむやにし続けてきたこれまでと、結局のところ何も変わっていないことになる。
社長の首を挿げ替えるだけで、ジャニーズ事務所が本質的に変わらない可能性があることを、我々は引き続き注意深く見ていく必要があるだろう。
(文/福田優太郎)