昨年の菊花賞を制し、今秋の活躍が期待されていた田村康仁厩舎所属のアスクビクターモアが8日、放牧先で熱中症による多臓器不全を起こし急逝した。JRAが9日、発表した。
アスクビクターモアは2021年6月に東京競馬場でデビュー。このときは、後に皐月賞馬となるジオグリフに0.3秒差の2着だったが、続く9月の未勝利戦で勝ち上がり、2022年3月には弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝利し父子制覇を達成。
皐月賞(G1)では5着、日本ダービー(G1)では3着と、あと一歩のところでクラシック制覇に手が届かなかったが、昨秋の菊花賞(G1)ではボルドグフーシュ、ジャスティンパレスの急襲を凌ぎ切り見事に初G1、クラシック制覇を果たしていた。
今春は、馬場状態やレース展開に恵まれず人気を裏切る結果が続いていたものの、夏の間に英気を養い秋の逆襲を期待されていた中で、突然の悲報となった。
アスクビクターモアのご冥福をお祈りするとともに、数々のアツいレースを繰り広げてくれたことに心より感謝申し上げます。
(文/豊田武志)